香りと消臭の世界の紹介
香りの歴史
香りとは・・
香りを表す言葉『Perfume(パフューム)』はラテン語で「Perfumum(煙を通して)」という意味です。古代において香りは、祈りや儀式と深い関わりをもっていました。
| BC4026年 | 花の甘い香りを楽しむようになる。 |
|---|---|
| BC2600年頃 | 古代メソポタミア世界最古の医学書では250種以上の植物が薬とされていました。 |
| BC2000年頃 | お香の文化がはじまり、シルクロード近辺や古代エジプトなどでは香油を体に塗ったり部屋に香りを満たすことでリラクゼーションを得ていました。また、敢えて腐敗した脂肪など悪臭のする物を体内に取り入れ、病原を体内から追い払うという処方もあったようで、正に、毒をもって毒を制していた。 |
| 1603? 1666年 |
ペストの大流行。特効薬が見つからない状況で対応策として多くの芳香物質が使われていました。 |
| 1937年 | フランスのモーリス・ガットフォッセが『アロマセラピー』という言葉を造語しました。 |
| 1986年 | 第一回「香りの心理学」学会で『香りの脳に及ぼす影響』が発表されました。民間療法として利用されてきた香りに治療医学としての道が開かれました。 |
| 2000年 | 木々の青葉から抽出した香りをストレスで弱ったラットに嗅がせるとストレスが解消されました。 |
ツタンカーメンに
香油を塗る
アンケセナーメン
ピクセンズ
(DAA)
香りの不思議
香りとは・・
●嗅覚と遺伝子
人間の遺伝子は3〜4万個であることが明らかになりましたが、その中で
視覚についての遺伝子は3個、
味覚についての遺伝子は5個、
ところが匂いについての遺伝子はなんと500〜700個
もあることが判明しています。
匂いに関する遺伝子が全体の2%を占めているという事実は臭覚の重要度をそのまま示していると言えます。
(高田明和 浜松医科大学名誉教授)
●嗅覚と脳と体
良い香りには理性ではコントロールしきれない感情を呼び起こす力があります。
それは香りの成分が人の情動や記憶をつかさどる脳の大脳辺縁系に直接作用するからです。
科学的研究によって欲求やけだるさ、好き嫌い、意欲や独創性はこの大脳辺縁系でつくりだされることが実証されています。
大脳辺縁系はまた視床下部と密接にリンクしています。視床下部は自律神経や内分泌、免疫系とも関係しています。
香りと健康
香りと科学 1
アロマセラピー(芳香療法)とは
植物由来のエッセンシャルオイル(精油)を治療目的で使用する療法。歴史的には西暦紀元前2000年に遡り、ヨーロッパ諸国の中には、医療行為として正式な認知を受けている国々も存在します。
『香りは身体の中で崩れたバランスを整える力がある。現在叫ばれている予防医学の最先端だと思う。』(カワバタクリニック院長 医学博士 川端一永先生)
●生理的な部分に対する働き
香りの刺激は脳下垂体へと伝えられ、自律神経系・内分泌系・免疫系の各システムにメッセージを送ります。
●心理に対する働き
香りは脳の中で記憶を司る海馬というところに伝わり、温い、冷たい、拡がる、縮むなどさまざまなイメージをもたらします。過去にかいだ匂いが脳にしっかり記憶されているのです。
●抗菌に対する働き
エッセンシャルオイルの持つ抗菌力は香りを空中に漂わせるだけでブドウ球菌やサルモネラ菌などの細菌やカンジダなどの真菌の発育を阻止できる位きわめて強力です。
●生体リズムの調節に対する働き
ラベンダーの香りが睡眠薬と同じ効果があることは多くの例が示しており、ラベンダーが人間の本来持っている昼夜のリズムを回復させたことを意味しています。(スチュワーデスが時差ボケ解消のためラベンダーの力を借りることも知られている)エッセンシャルオイルには不眠やうつ病などのリズム障害のほかにも抗酸化(老化防止)や、免疫調整、薬理の働きなどがあるといわれています。
香りと人間
匂いとアルツハイマー病
「アルツハイマー病の治療現場では「匂い」が活用されています。日本人なら誰でも生活の中でしっかり馴染んできた生活臭を嗅がせて、過去の記憶を思い起こさせ脳を刺激します。「ぬかみそ」「かつおぶし」の匂いを嗅いだ痴呆のお年寄りが次第にいきいきとした表情を見せ周囲の人に話しかけるようになった、などの変化が報告されています。
匂いと教育
都市は美観を重視し清潔な街づくりを目指します。しかし、いやな臭いを排除して、いい香りばかりかいでいると脳が正常に発達せず免疫も低下するという説もあるようです。自然の野山に触れる機会が取れない場合アロマセラピーを上手に活用する方法もあります。
好きな香りと嫌いな香り
複数の人にオレンジの精油を嗅いでもらい脳波計でα波の状態を観察するという実験結果があります。結果は以下のとおりです。
(1)α波が増加 リラックスしたグループ
(2)変化なしのグループ
(3)α波が減少しβ波が優位にストレスがかかったグループ
その後の聞き取りで(1)のグループはオレンジの香りが好きと回答し、(2)のグループは好きでも嫌いでもない、(3)のグループは嫌いと回答しています。
この実験結果からリフレッシュなどの心への作用を期待するなら好きな香りでないと効果は得られないということが確認できます。
嫌いな香りでも体は回復する
アロマセラピーは自分の好きな精油だけを使うべきか? 答えは「いいえ」です。
それは人間の臭覚は匂いに慣れてしまうからです。上記の実験で被験者の皮膚表面の温度をサーモグラフィで測定すると、全員の皮膚の温度が上昇していました。
つまり精油には、それを使う側の好き嫌いとは関係なく、誰にでも同じように作用すると言えます。
よって嫌いな香りの精油だからといってその効用がまったく期待できないという訳ではありません。
消息基礎用語集
関連基礎用語
●消臭
消臭とは、主に化学反応もしくは、物理吸着により無臭あるいは低臭気レベルにするものです。
●除臭
除臭とは、臭気の発生、あるいは発散を防ぐものです。抗菌繊維を使用し、水分・汗などが繊維に付着したとき、菌の繁殖を抑制し、繊維からのニオイの発生を防ぎます。
●除菌
除菌とは、目的とする対象物から微生物を除去することです。つまり、みなさんが除菌したいところ(まな板や冷蔵庫やふきん、あるいはトイレの便器や床など)から、いろいろな方法(ふいたり、洗い流したり、除菌製品を使うなど)で、バイ菌を取り除くことです。
●制菌
制菌とは、SEK(繊維製品新機能評価協議会)が厚生労働省の承諾を得て規定した言葉で「繊維上で菌の増殖を抑制する」機能を表すものです。
●静菌
静菌とは、微生物は生きているが増殖できない状態をいいます。いくつかの薬剤は微生物に静菌的に働き、このような場合、薬剤が取り除かれたり希釈されると微生物は増殖性を回復し、一見生きかえったかの感じを与えます。中途半端な熱処理も微生物を一時的な静菌状態におくことがあります。ある期間その活動・増殖を抑制する事で、1立方cmの中の菌の数を決め、それ以下になった状態(薬事法や日本薬局方などに定められている定義)を指します。
●抗菌
一般的には、微生物の増殖を抑制すること、という意味で使われることが多いです。菌を殺したり減少させるのではなく、「菌の増殖を防止する」という意味です。日本工業規格(JIS)で試験法が規定されています。
●殺菌
「殺菌」とは、細菌を死滅させるいう意味ですが、洗剤や漂白剤などの雑貨品ではこの表現は使えません。(消毒薬などの「医薬品」や薬用石けんなどの「医薬部外品」で使われる表現です。)
消臭方法
1.触媒式脱臭法(酸化チタン光触媒方式)
1)防汚効果が高く、お風呂のタイル・窓ガラスなどに多く使用されています。
2)太陽光・蛍光灯などから放出される紫外線がないと機能しません。ニオイがこもる夜は、
紫外線がないので消臭できません。
3)ニオイを分解するのに1〜2時間かかるので、発生する量が多いとニオイが取れません。
4)分解したニオイが何に変化するのか分かっていません。
2.オゾン脱臭法
1)大気中に微量に含まれ、強い酸化能力が有害物質を除去します。
2)オゾンの濃度が高くなると有害になります。国内作業環境基準0.1ppm以内
3.物理吸着法(活性炭・セラミック・ゼオライト・高分子電解質)
1)ヤシガラ活性炭は、最先端の技術を要する軍事兵器のガスマスクに採用されています。
2)幅広いニオイに対応し、速効性・回復力があります。
3)高分子電解質のスパイラルが大気中物質を吸着します。(水のイオン化と関連があります)
4.生物脱臭法(バクテリア)
1)バクテリアに汚物を食べさせ、ニオイの元を処理します。
2)バクテリアの生育条件を満たすのが困難です。
3)バクテリアは、汚物などは食べますが、ニオイは食べません。
5.フィトンチッド殺菌消毒(ヒノキの成分)
1)フィトンチッドを空気中に噴霧し殺菌することで防臭します。
2)フィトンチッドの持つ殺菌の働きで悪い菌だけ殺菌すればよいが、役に立つ良い菌まで殺菌します。
3)ヒノキの香りによるマスキング
6.マイナスイオン消臭(水のマイナスイオン)
1)主に、OH(-)による分解消臭。
2)(+)の電子を帯びたニオイは分解するが、(-)のニオイと中性のニオイは分解できません。
〈ニオイの種類;アンモニア(+)・硫化水素(-)・酢酸(-)・アルデヒド(-)・ピリジン(-)ニコチン(+)カテコール (中性)などです〉
7.金属イオン消臭法(銅イオン)
1)銅の抗菌性を利用し、菌の繁殖を抑制し防臭します。
2)Cu(-)で、マイナスイオン消臭同様、(+)のニオイを分解消臭します。
抗菌について
経済産業省では「生活関連新機能加工製品懇談会」において、「抗菌加工製品」に関するガイドラインを取りまとめました。
〈「抗菌」が定義づけされました〉
ガイドラインで『「抗菌加工製品」における「抗菌」とは「当該製品の表面における細菌の増殖を抑制する』こととなりました。
また、黒ずみ等の原因であるカビ等の「真菌類」は「抗菌」が対象とする細菌には含めないことや、抗菌効果に係る副次的効果
(汚れ・臭い・ぬめり等の防止または抑制)等は「抗菌」の中には含めないこととなりました。
〈「抗菌」の表示方法を統一〉
消費者が安心して商品を選択するために、「抗菌」の表示として、以下の5項目について表示することとしました。
この5項目は文字表示の他、マークによる表示もある程度可能です。
1.抗菌加工の存在
2.抗菌効果(製品の種類毎に行う試験方法による。働きの持続性等)
3.抗菌剤の種類(無機系/有機系/天然有機系等の区別)
4.抗菌加工製品の安全性(短期毒性・皮膚障害・皮膚刺激性等必要な事項)
5.抗菌効果を発揮・持続させるための使用方法・取扱注意事項
嗅覚の仕組み
嗅覚とはにおいの感覚です。においを感じることは身のまわりの危険に気づくために重要ですが、味覚などその他の感覚器ほどには解明されていません。
鼻の内側の粘膜には線毛という突起をそなえた嗅覚受容器とよばれる細胞があり、においを感知するはたらきをしています。空気に含まれているにおい分子が線毛に触れると電気信号が発生し神経につたわります。その信号が嗅球から嗅神経を通じて脳へとおくられ、においを認識することができます。1種類のにおい分子を、人間には350種類あるとされるにおい受容体の複数の組み合わせで認識することで、かぎ分けることが可能になるのです。
このようなにおいの識別のしくみを、嗅覚受容器の遺伝子を解析することで明らかにしたのが、アメリカのコロンビア大学のアクセル博士とフレッド・ハッチンソンがん研究センターのバック博士です。両博士はこの研究によって、2004年度のノーベル医学生理学賞を受賞しています。